親 子供 先に亡くなる

患者さんの死に直面して

看護師の仕事でもクリニックなどでは、もし受診中に急変したとしても、対応出来る設備の整った病院へ搬送するので、患者さんの死に立ち合う事は少ないと思います。でも病院の病棟勤務では、必ず患者さんの死に直面すると言えます。

 

ICUやCCUなどに入っている患者さんが亡くなってしまわれる場合は、重症であるとわかっているので、全身管理を行い、出来る限りの事をしても亡くなられてしまうので、一生懸命看護をしても助けられなかったという無力感でいっぱいになってしまいます。また朝は元気にしておられた患者さんが、夕方急変して亡くなられてしまう事もあります。自分が担当になっていた患者さんだったりすると「どうして?」という思いが強くなり、もしかすると、もっと早くに何か容態急変の兆候があったのではないか。見逃したのではないかなど自分を責めるようになってしまう場合もあります。

 

また、自分の家の近くに勤めたりすると、近所の顔見知りの方が入院される事も。病名が癌で家族から告知しないでと言われている方であると、対応がとても難しくなります。顔見知りという事で気安く、後どれくらいで退院出来るかなど状態を聞かれても、末期でもう退院出来ないとわかっていても、出来ないとは言えません。そしてはぐらかした返事をしている間に亡くなられる場合も。

 

看護師の仕事は、仕事と割り切るから対応出来る事もあります。家族が病気になると、同じ看護なのに中々仕事のように割り切る事が出来ず、つい感情的になってしまう方も多いのではないでしょうか。顔見知りなどでは、やっぱり感情的になってしまい、亡くなられるととても落ち込んでしまうのです。

 

新人看護師の時では、こういった患者さんの死や自分の無力さに耐え切れず、辞めてしまった人もおられると思います。でもそこを越えて、頑張って続けられていたのに、逆に患者さんの死に対して、気持ちが動かなくなってしまった事にふと気付いた時、自分は薄情な人間になってしまったのではないかと、思い始めてしまう事があります。こういった人間としてダメなんじゃないかという気持ちは、看護師を続けられなくさせてしまう大きな引き金になる事もあるのです。